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鏡の中のラジオネット
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『ねぇねぇ奥さん聞いた?斉藤さんのダンナさんね浮気しているらしいわよ〜。それでね相手がね20も年の離れたオバさんなんですって。』

『あらホントに。見掛けによらないわね〜。あっ奥さんごめんなさい私ね今から東京研磨マイスター学院へ行かないといけないのよ。それじゃまたね』


みたいな会話を聞かないじゃん。


『ねぇ目を開けて。ダメよまだ死んじゃダメだから。お願い死なないで。』父が倒れて入院したのは先月の事だった。私は物心付いた時からまだこの人を一度もお父さんと呼んでん事がない。母親が死んでまもなく、5才になる私を捨て家をでて行った父から急に会いたいと言われたのは去年の冬になる。待ち合わせ場所にあらわれた彼は見るからに中年のオヤジといった風体で、何故母さんがこの人と一緒になったのかはわからなかった。
しかし、ことあるごとに私や母親を殴っていた彼は25年という歳月のせいかすっかり人が変わっていた。
『元気か、何て気軽に言えた義理じゃないのは分かっている。俺のことを許してくれとも言わない…ただ何ていうかスマなかった。』不器用さは変わらない彼から、謝罪の言葉がでてくるとは少し驚いたが素直に許すことは出来なかった。家族を捨てた事に対する怒りという感情より戸惑いの方が強い。第一、彼を何て呼べば良いのかわからないのだ。その後はどんな会話をしたのか思い出せない。ただまたしばらくしたら会う約束をして私たちは別れた。帰りに車を運転していると急に視界がぼやける。私は自分が泣いていることに気付いた。すぐには無理かもしれないがいつの日か彼を許せるかもしれない。お父さんと呼べるかもしれない。私はそう思い始めていた。25年ぶりの再会から1ヶ月後の突然の病院からの電話がくるまでは…

『娘さん話しかけてあげて下さい。』担当のドクターに言われるまでもなく父に声をかけ続けているが一向に父は目を覚まさない。私はハット気が付いてこう言った。

『お父さん…』

25年ぶりに再会し、ようやく言えたこの言葉にかすかに父が反応したように見えた。
『お父さん目を覚まして…』
父は私が握っていた手を弱々しく握り返してくれた。


十日程して一般病棟に移った父は倒れたとは思えないくらい元気になり、私の横でワイドショーを見ながら芸能人の悪口を言っている。は〜あ何だったんだろう私のこの25年間は。まっイイかこれからまた父と時を重ねていけば。
窓の外には真っ青な空と何かの看板が見える。
『東京研磨マイスター学院』


てか長っ



まあ、こんな事ないでしょみなさん。というか長すぎて忘れているでしょうけど、東京研磨マイスター学院はあんまり身近にないですよねって話ですよ。それくらい変わった学院だなと思いますわ。
今後も何か変わった学院があったら紹介していきますよ〜。




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